建設業での若年層就業者はどうなる?若者の就業者増加のための対策とは?

建設業での人手不足は慢性的に続いています。その中でも29歳以下の若年層就業者は激減しているといっても良いでしょう。将来的に機械化や自動化が進んでいくとしても、建設業では必ず人の手が必要なものです。今回は、若年層就業者の現状についてや、今後若年層を増やすために考えられる対策などについて紹介します。

 

建設業での若年層就業者の現状は?

国土交通省が調査した建設業を取り巻く情勢の資料によると、建設業全体での就業者は、平成9年で685万人、平成22年で498万人、平成27年で500万人となっており、平成9年ころと比較すると180万人程の就業者が減少しています。平成22年以降から現在までは、500万人前後で停滞しているような状況です。一方、就業者を29歳以下の若年層に限定した場合の割合を見てみると、平成9年では約22%の就業者でしたが、平成27年には10.8%にまで減少しています。18年間の間に約半分にまで落ち込んでしまいました。

 

就業者の今後の見通しは?

29歳以下の就業者が減少しているということは、今現在、建設業の中で中心となっている年齢層は40歳代~60歳代の世代です。しかし、60歳代は10年後にはその大半が引退していることが考えられます。多くの就業者が姿を消すことになってしまうため、若い世代の人材確保と育成は早急な対策が必要なのです。

 

若年層就業者を増加させるための対策とは?

全国の建設産業団体や関係行政機関、職業訓練校、教育機関などが若年者の入職の促進を図るために、様々な取り組みをしています。その一部を紹介しましょう。

①高校生対象現場見学会の開催

将来の建設業を支える担い手の確保と育成のために、興味を持つ多くの高校生に対して、現場の見学会を実施し、もっと身近に産業を体験してもらうという取り組みです。現場の受け入れ企業は、国内大手、中堅のゼネコンが多数参加しており、最先端技術の建設現場を見る機会となるでしょう。

 

②お父さんの仕事場見学会「おやじの日」

土木業界の建設現場で活躍する社員の家族を対象に、実際に家族(おやじ)が働く姿を見学し、業界にも興味を持ってもらおうとする取り組みです。外で働く貴重な姿を知り、業界に対する理解を深めるねらいもあります。かっこいい父親をアピールできる場となりそうですね。

 

③土木フェスタinマリンポート

暮らしを支える土木産業に直接触れる、体験することで、興味をもってもらい将来的な担い手にもつながることを目的とした取り組みです。バックホーなどの専門的な建設機械に試乗できるなど、貴重な体験ができることや、液状化とはどのような現象なのかなど模型やパネルでわかりやすく解説しています。街を支える重要な役割を理解できる機会ですね。

 

④ホームページでのPR活動

秋田県仙北建設業協会では、建設産業をPRするホームページを開設しました。「毎日が誇りまみれ」というサイトの中では、建設産業に係わる人たちの「自然の姿」がそのまま映し出され、なんとも言えないカッコよさを感じさせる内容となっています。街のために働く20代の就業者が建設業の魅力をアピールしたコンテンツとなっており、先輩たちの声としていくつかの20代~30代就業者の感想が寄せられています。

 

国としての対策も様々取り組まれていますが、各市町村団体としても個別に工夫を凝らした取り組みがあるようです。一時期かなり紹介された「○○男子」という業界の青年を紹介する企画もありましたが、このような取り組みも産業に興味を持つ、身近に感じるという点で効果があるものと考えます。人材確保のために、良いイメージづくりはこの先も続けていきたいものですね。

 

(参考)国土交通省 http://www.mlit.go.jp/

    一般財団法人建設業振興基金 http://www.kensetsu-kikin.or.jp/

    秋田県仙北建設業協会 https://hokorimamire.com/

 


ライタープロフィール
ペンネーム GOKURA

住まいのプロ。注文住宅業界に15年以上従事。
現在は在宅で、家づくりのサポート業務・営業企画を行う傍、ライターとしても活動。
注文住宅に関する管理業務を一気通貫して経験しており、リフォーム、不動産関係を得意とする。

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