足場工事への幅広い対応力をベースに、工事のキャパを広げていきたい|株式会社樹工業 菅谷大樹代表取締役

鳶職などを広く経験し、茨城県神栖市で独立・法人化したという株式会社樹工業代表取締役の菅谷大樹さん。積極的に外国人研修生の受け入れもされているという同社の、現在と将来について語っていただきました。

次世代足場の未来に可能性を感じて

−−どんな事業をされているのでしょうか。

足場工事や鉄骨工事など、いわゆる鳶工事がメインです。中でも私は足場工事の経験が長いので、単管足場から枠組み足場、それから次世代足場と呼ばれるものまで、ほとんどの足場工事に対応できます。

鉄骨工事も、建てるだけでなく鍛冶工事も含めてすべてうちでやります。うちは本業が鳶職なのでいわゆる雑鍛冶ですが、専業の協力業者もいるので安心して任せていただけます。

−−足場作業のたいへんなところは何でしょうか。

たとえば住宅と工場と公共事業の現場とでは、それぞれ足場のルールがまったく違うんです。それぞれの現場のルールに沿ったやり方を身につけ、お客様ごとに臨機応変に対応していかなければなりませんから、そこは苦労するところですね。

−−対応可能なエリアはどの辺りまでですか。

本拠は茨城県の神栖市ですが、これまでも県外の現場にも対応してきましたし、特にエリアは限定していません。折り合いが付けばどこへでも出かけますよ。

−−独立、法人化された経緯を教えてください。

私は、15歳でまず大工になりました。でも社長と馬が合わず1年半ほどで辞め、それからいくつか職人仕事を経験して、鳶職になったのは19歳のとき。そして2013年にまず個人で開業し、2017年のこの会社を設立しました。大工になったときから数えると、建設業界のキャリアはもう20年以上になります。

足場工事として開業したのは、いちばん経験が長く、これをメインにやっていくのがいいかなと思ったからです。また当時、たまたま手がけた住宅の現場で次世代足場を扱ったことで、これからは次世代足場の波が来るんじゃないかという思いもあったからです。

−−独立や法人化にあたってどんなご苦労がありましたか。

やはりお金の面では苦労しました。貯金もなかったし、金融機関から融資も受けられなかったですから。会社として信用が得られるようになるまではたいへんでしたね。また法人化すると社会保険料などの負担も出てきますから、それなりの単価の仕事でなければなりません。法人化した当初は、お客さん探しにも苦労しました。

「あたり前のことをあたり前に」が大切

−−お取引先はどういう業種が多いのですか。

ハウスメーカーさん、それから今だと鳶工事全般に依頼いただく会社さんが多いです。足場だけでなく、全部発注をかけていただけるような会社さんとのお付き合いが増えています。

−−お取り引きをされるうえでの判断基準は何でしょうか。

実際に話をしたうえで判断します。たとえばうちから具体的な発注の話を持ちかけたときに、その工事に対してどこまで知識があるかを確認します。あとは、金額的に折り合うかどうか。技術力と金額とのバランスですね。特に発注先に現場を任せるような場合には、その見極めが重要だと思います。

−−コミュニケーションも大切なのですね。

そうです。あとは常識というか、商道徳を備えられた方ですね。以前うちが発注した人が、さらに協力業者さんを使って工事をしたんです。うちは支払いをしたのですが、協力業者さんから「支払ってもらえない」とこちらに相談が来た。そういうことでは困ります。

−−職人さんの採用基準についてはいかがでしょうか。

特に条件などはありません。やる気があってきちんと仕事をしてくれる人であれば、年齢もあまり問いません。

−−資格なども特に求められないのですか。

資格があれば優遇しますし、なければ教えます。そこは臨機応変に対応します。

幅広い工事に対応できる力を

−−仕事上のこだわりは何かありますか。

こだわりというのではありませんが、うちは外国人実習生が多く、そしてみんな技術力が高いんですよ。建設業界もいまや日本人だけではやっていけなくなっていますし、せっかく日本で技術を身につけてもらったのだから、研究期間以降もできればずっと活躍してもらいたいですよね。だから彼らの教育には力を入れて、そういう未来が開けるようアピールしていきたいと思っています。

−−外国人実習生の教育でたいへんなのは何ですか。

言葉ですね。未経験で一から教えるのですから、日本語がわかればもっと早く仕事を覚えられるのに、と思います。でもそこから成長していく様子を見るのは本当に楽しいですよ。

−−会社のいちばんの魅力は何だと思われますか。

自分ではわかりませんが、強いて言うならお話したように外国人実習生の技術レベルが高いことでしょうか。鉄骨工事では彼らだけでやった現場もあるのですが、日本の職人さんが見てもきっと驚くと思いますよ。厳しく教育してそのくらいのレベルまで育て上げていますから、そこは魅力というかいちばんの強みだと思います。

−−将来へ向けてのビジョンを教えてください。

課題としては、まずは規模の拡大です。人手がなくて請けられない仕事も結構あるので、従業員をもっと増やして会社のキャパを広げたいと考えています。

あとは技術面でもう少し質を高めていくことですね。建設業許可の区分で解体工事が新設されたので、うちも取ったんですよ。今はキャパがなくてそこまで手が回らないのですが、解体工事にも携われば足場工事のニーズも出てくるので、今後はそちらにも広げていきたいと思っています。

解体工事だけでなく、外壁塗装も電気工事も壁工事もしかり。将来的には、トータルに建築一式を請け負える会社を目指していきたいですね。

さいごに

話題となった有名テーマパークの新施設の鉄骨工事にも携わったという菅谷さん。無から有を生む建築の世界で、さらなる飛躍を目指してチャレンジを続けられる様子が伝わってくるお話でした。

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