独立をして見えてきた「受け継いでいくもの」と「創り出していくもの」 | 仮谷工務店 仮谷大代表

30歳を前に、大工としてあえて厳しい独立の道を選んだという大阪・仮谷工務店の仮谷さん。お父さんから受け継いだ技術と職人魂で新たな道を切り開く、現在の状況を伺いました。

家族に相談もせず独立を決意

−−仮谷工務店さんの事業内容から教えてください。

大工工事です。在来軸組工法と伝統工法で、おもに新築工事とリフォーム、リノベーションの工事をしています。

うちは祖父の代からずっと大工職人なんですよ。私も子どものころから親父の姿に憧れていたので、学校を出てすぐに父に弟子入りしました。そしてちょうど10年、父のもとで修行しました。

−−その間に大工育成塾も修了されているのですね。

そうです。当時お付き合いのあった工務店さんから声をかけてもらって、国家プロジェクトである大工育成塾で3年間受講させてもらいました。月に数回、座学や実技研修で伝統工法を学んでいくのですが、現場では滅多に経験できないことを勉強できて本当に良かったです。

−−独立に踏み切ったきっかけは何ですか。

私も30歳手前になって「このまま父の下で続けて代替わりするより、一度外へ出て責任ある立場を経験しておいた方がいいんじゃないか」と考えたんです。それで父に相談したところ、快諾をもらって独り立ちしたという次第です。

−−それが2020年。スタートにあたってどんなご苦労がありましたか。

とにかく不安でしたね。お客さんもいないし、まさに右も左もわからなくて。1か月先の仕事がないといった不安がいちばん大きかったです。私は妻と3人の子どもがいるんですが、ほとんど相談もせずにスタートして家族も振り回してしまって。

−−不安の中で1年間どうやって進んできたのですか。

少しずつお取引先もできてきて、そんな中でやはり今の時代ネット活用だろうと思って、サイトに登録したりホームページを作ったりしたんですよ。そして仕事募集したらすぐにいろんなところから連絡をいただいて。あれがなかったら行き詰まっていたかもしれないですね。

ネット活用から新たな動きも

−−対応可能エリアはどの辺りまででしょうか。

拠点は大阪市で、近辺であれば対応します。まあこれまで愛知とか広島の仕事もやってきているので、どこにでも行けるという感覚はあります。

−−独立から1年。何か変化はありましたか。

去年の暮れごろ、ホームページを見たというある建築会社さんから連絡をいただいたんです。そこはもみの木の家というコンセプトで家づくりをされている会社さんで、大阪でもパートナーを探しているので一緒にやらないか、と。

話がうますぎて最初は詐欺じゃないかと疑ったんですが、モデルルームを見に行ったり実際にお会いして話をしたりして、今後それをやっていく方向で話が進んでいます。

−−楽しみですね。仮谷さんは何か仕事上のこだわりはありますか。

お客さんに対しても家に対しても嘘をつかない。ていねいな仕事を心がけるということですね。うちの親父がものすごく正直な大工で、仕事に対して真摯で、技術だけじゃなくそういうところも受け継いでいきたいとずっと思ってきました。だから自分も仕事で手間ひまかけるのを惜しまないよう心がけています。

−−大工の仕事をしていて楽しいのはどんなところですか。

しんどいことがあっても、お客さんと話して顔を見ていたらやって良かったなと思える。お客さんの家に対しての思いなどが聞けて励みになりますし、そういうところですね。親父がよく「思いを形に」と言うんです。

それはもちろんお客さんの家に対しての思いであり、加えて自分たち造り手の思いでもある。二つが重なってお互いの理想に近づけたらいいな、という気持ちで仕事をしています。

−−どんなお客様が多いのですか。

何でもいいとかやってくれりゃいいんだなどと言われると、こちらも楽しくないですよね。お互い信用し合えて、一緒に家づくりを楽しんでいけるようなお客さんが多いというか、お付き合いしながらそうなっていくという感じです。

いつかまた、親子で一緒に

−−お取引先としてどういう業者さんが多いのですか。

うちは住宅建築に携わられている業者さんが多いです。

−−取り引きする上でどういうところを重視されるのですか。

まず人柄、あとは仕事に対して誠実な人ですね。清潔感もある方がいいです。人柄が重要だと思うのは、やはりお客さんからしたら大きい買い物なので、自分たち仕事をする側も誠実でないといけないと思うからです。

−−今後のビジョンや課題などについてはどうお考えですか。

お客さんと生涯付き合えるような関係を作っていきたいと思っています。仕事には自信がありますし家には満足していただけると思うので、人間としても信頼していただいて長くお付き合いしていきたい。自分一人がそう思っていてもダメなので、業者一同そう思ってもらえるような仕事をしていきたいですね。

−−ホームページではアフターフォローもアピールされていますね。

はい。私はまだ30歳なので、30年後も大工をやっているはずなのでずっと大丈夫ですよと。自分が建ててメンテナンスまでしますとお伝えしたいんです。

−−DIYのニーズにも対応されるのですね。

「DIYしたいんだけど」といったご相談も、お気軽にしてくださいとしています。アドバイスだけでもできますし、私が家具などを作るということでもいいですし。別にワークショップを開くとか、そういうことは今のところ考えていません。

−−いちばんの貴社の魅力は何だと思われますか。

自分で言うのは難しいですね。これまでお話したことから何か感じていただけたら嬉しいです。

−−いずれはお父様の後を継ぐ予定なのですか。

逆に、うちに来てほしいという話を父としています。やはり父とは一緒に仕事を続けていきたいですし、ゆくゆくはそうなれたらと願っています。

さいごに

不安いっぱいのスタートからネットなども活用して仕事を軌道に乗せ、さらに新たな取り組みも始めようという仮谷さん。今後のさらなる飛躍に期待が高まるお話でした。

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