今回戸建て住宅をメインに、外構一式を手がけるS.G.F 沙の田頭 浩伸さんにこれまでの経験や、今感じているハウスメーカーさんとの付き合いに関して、お話を伺いました。
代表に誘われて今がある
−−どのような事業をおこなっているのですか?
広島県福山市を中心に、外構エクステリア全般、造園、駐車場の土間コンクリートなどをやっています。フェンスとかカーポート、テラスとかも手がけるので、戸建て住宅がメインとなっていますね。
たまに外構工事をやったりしていますが、案件数は戸建て住宅の方が多いですね。
−−外構、造園に関わるきっかけを教えてください
高校生の時に今の仕事とは全く違う工業高校に通って、高校の時に専攻したジャンルと別の工場に就職したんです。当時は若かったのでかったるい仕事はしたくなくて、すぐやめちゃいました。
ただ生きるのにもお金はかかるので、どうしようと思ってた時に前職の職人に拾ってもらったんです。たまたま造園会社で、約10年くらいお世話になりましたね。
まあ若かったので、造園だけだと食べていけないから、外構をやり始めた感じです。
−−その後、前職を退職されて今に至る感じですか?
そうだね。僕自身誰とも関わりたくないので、自分でやりたかったんですよ。ただ今の代表から何回か電話で誘われて、結局個人でやろうと思っても先行投資が同じくらいかかるんだと思ったり、私が持っていない技術を代表が持っていて、彼が持っていな部分を私が持っているので、手広くできると思ったんです。
今考えると、外構一式を頼まれるハウスメーカーさんが多いので、一緒にやってよかったと感じるところが多いですね。私は造園経験が長いですが、代表は左官の出身ですし。
−−代表の藤井さんとは以前からのお知り合いだったんですか?
前職にいた時に、何度か顔は見ていたかな。特に会話はしなかったんですけど。
その当時はアパートの外構をしていたんですけど、たまたま現場の手が足りなくて、別の人間を頼んだら人づてにきたのが、今の代表だったんです。
今度は違う現場に行ったら代表がブロックを作っていて、「なんか見たことある顔だな〜」と思った時に初めて話しましたね。
そのきっかけでちょくちょく手伝いにきてもらって、その流れなので付き合い的にはもう6年くらいですね。
外構の低価格化からの「にわか作業」をなくしたい
−−対応可能エリアはどの辺りになりますか?
広島県福山市が中心で、三原市までの線引きはさせてもらっています。一応私たちの方でコンクリートの取り合いの関係で、三原市が対応できたりできなかったりすることがあるんです。本来は尾道市までで止めたいんですが、今は三原市まで対応できる感じにしていますね。
ご依頼先がハウスメーカーさんとか工務店さんなので、福山市を中心として依頼をいただくようにしていますが、あまり市区町村にはこだわらず、私たちと同じ理念を持った取引先さんと深い付き合いをしています。
−−どのような理念をお持ちなんですか?
ハウスメーカーさんとか工務店さんによくありがちなんですが、戸建て住宅のコーディネートをお客様に提案しているのに、フタを開けたら外構にかけるお金がなかったりします。それで「コーディネーター」を名乗るのは本当に許せないですね。
よく依頼をいただくんですが、「こんな感じにしてください」と見積もりをいただくと、絶対にできない金額を提示されるんです。
確かに外構は外の部分なので、手を抜きやすいんですよね。でも私たちはJIS規格とか技術の質を落としてまで施工はしたくないです。
戸建て住宅を買ってくれたり、リフォームを依頼してくれたお客様に対して、恥じない仕事をしているので、もちろん規格の中でなんとか金額の方は抑えますが、明らかに規格外となる仕事や工程を省かないとできない仕事はしないようにしています。
その理念のもとやっているので、理解いただける取引先と出会いたいですし、これからもそういった方と付き合っていきたいです。
−−業界的にも外構は低価格になってきているんですか?
そうなんです。悪循環がおこっているんです。
お客さんは低価格でやってくれる業者を探している中で、我々のように強い理念がある業者が断ると、予算を上げて私たちに依頼するわけでなく、低価格で対応してくれる業者に決めてしまうんです。
そうすると「にわか作業」をやっているところに、仕事の案件がいくんですよ。にわか作業だと何年後かにエアークラッシュが入ったりしてクレーム発生の原因になります。
下請がまかなえるくらいのきちんとした金額でやらないと、やっぱり下請も逃げていくんですよね。そういった矛盾した業界をなんとかしないなって思ってますね。
−−お仕事においての強いこだわりでもあるんですね
とにかく「省かない」「削らない」「迷惑かけない」この3つですね。「迷惑かけない」は特にご近所さんですね。
この3つを心がけないとどんなに技術がすごくても一流が三流に落ちますから。ただのにわか作業になってしまうんです。結局プロってこの3つを守ったその先なんです。
モノづくりは単なるものを作れる人間でしかないと、思ってます。モノづくりって、何年かしたら誰でもできるようになるんですけど、プロはプラスαその先を考えられるかです。だから、その先を見据えながらうちはやっていこうかなって話ですね。
−−今考えているその先はありますか?
やはり広島県といったら台風被害です。毎年災害があるたびに、我々が施工した外構に被害がないか確認しています。外構だと風を通さない目隠しフェンスなどもあり、もろフェンスに風圧がかかるんです。
そういった見えないところほど、基礎の確認に力を入れて作っているようにしています。
また代表が造形モルタルに力を入れているんですね。モルタックスとか、そういった感じの外構や門柱を作ったりしたいなって考えてます。
どの作業も自分を高める経験値になる
−−外構の魅力を教えてください。
これまであんまり「面白い」って感じたことがなかったんです。毎日が勉強で技術を学ぶことだけに集中してました。1つの案件に対してできないことをクリアするそういった感じで、上を上を目指し経験をたくさん積んできました。
ただここ最近になって面白くなってきたように感じますね。自分が描いている作業工程がそのまま通ったり、図面を設計して現場で作って完成できると、楽しく感じますね。そういったところが魅力です。
−−今後の将来に関して教えてください
今外構や造園として打ち出していますが、ゆくゆくは外構だけでなく、中もできるように考えてます。
代表が力を入れている造形モルタルが広まり、興味を持ってくれるようにまずは広めていきたいと思っています。
そしたらこれから先の考え方がまた変わって、法人化するのかとか職人増やすのかとかいろいろ視野が広がると思うんです。そして対応エリアも拡大できると思いますし。
職人さんでも造形モルタルに興味を持ってくれて、できるようになり、私たちと同じ理念を持ってくれる企業様が増えたら嬉しいですね。
さいごに
今回、外構や造園を事業として展開している、S.G.F 沙の田頭 浩伸さんにお話を伺いました。価格競争の悪循環をなくしたい熱い気持ちや、プロの考え方など、様々なお話が出ましたので、もしS.G.F 沙さんにご興味がございましたら、下記よりご連絡をお願いいたします。