経営業務の管理責任者とは?知っておかなければならない建設業許可の資格要件

こんにちは、ツクリンクの遠藤です!今回は建設業の許可を得るための要件の1つについて触れていきます。

建設業の許可を受けるためには、次の資格要件を備えている必要があります。
1.経営業務の管理責任者が常勤でいること
2.専任技術者を営業所ごとに常勤で置いていること
3.請負契約に関して誠実性を有していること
4.請負契約を履行するに足る財産的基礎又は金銭的信用を有していること
5.欠格要件等に該当しないこと
今回はその中から「経営業務の管理責任者」に関する要件について触れてみたいと思います。

 

質問者:「経営業務の管理責任者」って名前だけはよく聞くけど、そもそもなんなの?

「経営業務の管理責任者」とは、許可を受けようとする建設業(の業種)に関して5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者、またはそれと同等以上の能力を有するものと認められた者のことを言います。
ちなみに「経営業務の管理責任者としての経験」とは、営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、建設業の経営業務について総合的に管理・執行した経験を言います。

 

質問者:社長を5年間以上やっていればいいってこと?

単純にそういう話ではありません。上記のとおり「許可を受けようとする建設業(の業種)に関して5年以上」の経験が必要とされますので、建設業を営んでいない会社で役員を5年経験していても、20年経験していても「経営業務の管理責任者としての経験」にはあたりません。

 

質問者:内装会社の社長を5年ちょっとやってるんだけど、僕、建築工事業の経営業務の管理責任者になれる?

内装工事業について5年以上の経営経験があれば(それを証明できれば)、内装仕上工事業についての経営業務の管理責任者経験を満たせるものと思います。
しかし、建築工事業については実績がないみたいですから、建築工事業に関する経営業務の管理責任者にはなれません。

 

質問者:さっき、5年の経験以外にも「同等以上の能力」があればOKみたいな話がありましたよね?僕、実はスーパーヤサイ人なんです。建築工事業の経営業務の管理責任者になれますよね?

なれません。ここで言う「同等以上の能力」とは、例えば許可を受けようとする建設業以外の業種に関し7年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有している場合や、許可を受けようとする建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にて一定期間の経験がある場合などのことです。
例えば、内装工事を7年以上やっていれば、内装仕上工事業だけではなく建築工事業その他建設業許可業種の全てについて経営業務の管理責任者たる経験要件を満たしているものとなるわけです。

 

質問者:ということは、まず内装仕上工事業の許可を受けて、あと2年内装工事を続けて7年以上経ったら、建築工事業を追加できるかもしれないってこと?

そうです。急に物分りがよくなりましたね。さすがスーパーヤサイ人。

 

質問者:それを待てない場合、誰か条件を満たしている人を役員にすればいいのかな?

半分イエスです。建設業許可要件は「経営業務の管理責任者が常勤でいること」とされています。経営業務の管理責任者は役員(取締役等)であることはもちろん、会社(主たる営業所)に常勤していなければなりません。

 

質問者:最近、経営業務の管理責任者としての経験を有する者の配置が求められる役員の範囲に、執行役員が追加されたと風のうわさで聞いたけど、常勤であれば取締役ではなく執行役員でもよくなったってこと?

(風のうわさの割にはだいぶ的確ないい質問ですね・・・)
平成28年4月から建設業許可基準における経営業務管理責任者要件について、「許可を受けようとする建設業の経営業務の執行に関し、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受けた執行役員等」も含まれることになりました。執行役員だったらそれでOKというレベルの話ではありませんので、一定の要件を満たす者であるかについては、許可権者である各都道府県または国に確認をする必要があります。

 

質問者:なるほどね~。経営業務の管理責任者だった人が役員を辞めたり、常勤しなくなったら許可はどうなるの?

経営業務の管理責任者に関する設置要件を欠くと許可は継続できません。役員を退任・辞任した(または常勤でなくなった)時点で要件を満たした後任の常勤役員等がいない場合、その日をもって許可は効力を失うことになります。

経営業務の管理責任者や専任技術者に関する許可基準は、建設業許可の要(かなめ)中の要といえます。しっかりと内容を理解し、許可取得後も継続して要件を維持できる経営体制を築くことが必要です。

 

質問者:なるほど!だいぶ経営業務の管理責任者のことがわかってきたよ!でも、ほかにも建設業許可で知っておかないといけないことっていっぱいあるよね。いくら僕がスーパーヤサイ人でも、もうおなかいっぱいだなぁ。

ご心配なく!各都道府県には建設業許可の申請を代行してくれる行政書士の先生がたくさんいらっしゃいます。初心者の方でも親切丁寧に教えてくれますよ!
ツクリンクでも提携している行政書士さんが居りますので、相談したい方がいらっしゃいましたら、ぜひお問い合わせください!


建設業の法律や規則について聞いてみたいことがありましたらコメントにてお知らせください!

本記事を寄稿いただいた行政書士さんです!

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入江行政書士事務所
行政書士 入江潤一
東京都行政書士会所属
登録番号:第04080320号

⦁ 東京都行政書士会中野支部 理事
⦁ 東京都行政書士会 選挙管理委員
⦁ 一般社団法人不動産ビジネス専門家協会 専務理事

2004年2月 弁護士事務所4年、行政書士事務所2年の実務経験を経て行政書士登録。主に金融商品取引業登録、不動産投資顧問業登録、宅地建物取引業免許等の不動産証券化ビジネス関連の許認可申請および建設業許可申請の代行業務を行う。

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