こんにちは、ツクリンクの遠藤です!
今回は、前回掲載しました建設業許可につきまして、44年ぶりに見直された内容について取り上げていきます!
質問者:なんか、最近建設業種が増えたって聞いたけど?
はい、いままで28業種に分類されていた建設業許可業種のうち「とび・土工工事業」に含まれていた解体工事が「解体工事業」として分離新設され29業種となりました。
行政書士の補足:これは、平成28年6月1日に建設業法の一部を改正する法律の未施行部分が施行されたことによるものです。この業種の新設は、建設業が登録制から許可制へ改正し施行された昭和47年以来およそ44年ぶりの見直しとなります。
質問者:へ~、44年ぶりってすごいね。何が変わったの?
この新設によって、いままで500万円(税込)以上の解体工事は、「とび・土工工事業」の許可があれば請け負えたのですが、今後は、「解体工事業」の許可を受けていないと請け負えなくなりました。
ただ、施工に関しては、既存の「とび・土工工事業」許可業者については、平成31年5月31日までは解体工事も施工できるという経過措置が設けられています。(なお、500万円(税込)未満の解体工事を請け負う場合には「解体工事業登録」が必要です。)
行政書士の補足:この新設により解体工事区分の考え方が以下のとおり明示されました。
~建設業許可事務ガイドライン~抜粋
(解体工事の区分の考え方)
それぞれの専門工事において建設される目的物について、それのみを解体する工事は各専門工事に該当する。総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物や建築物を解体する工事は、それぞれ『土木一式工事』や『建築一式工事』に該当する。
例えば、
- 信号機のみの解体⇒電気工事
- 鉄塔のみの解体⇒鋼構造物工事
- 自動倉庫のみの解体⇒機械器具設置工事
(それぞれ専門工事に分類されるものに限ります) - ビル、家屋の建替えの為の解体⇒建築一式
- 高速道路の解体⇒土木一式
といった感じです。
これにより解体工事業は、上記以外の家屋等の工作物を解体する工事とされました。
質問者:なるほどね~、ところでなんでそんな久しぶりに変わったの?
行政書士の解説
近年、日本の人口減による空家問題がしばしば話題になっていますが、空家はますます増加すると予想され、中でも適切に管理されない空家は、その工作物としての安全性の低下の他、公衆衛生の悪化、景観の阻害や地域防犯上の問題を生じさせる可能性があります。
平成27年2月に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により今後は利用されていない家屋については、税制面の優遇から除外される等の政策に加え解体に対する補助金も検討されており、解体するケースが相当数増えてくると予想されます。
一方、現状とび・土工工事業許可業者ではあるが、解体工事は分野外という業者も相当数いらっしゃいます。
今回の業種新設は、解体工事の実績がある業者を明確に区分することにより、施主さんと業者のトラブルを未然に防ぎ、いわゆる建設リサイクル法に基づく業者の義務の履行を確保する狙いがあるようです。
質問者:いや~、いろいろ考えてるんだね。でも、うちも建設業許可持ってるけど、いきなりまた法律変わったっていわれてもどれが自分に関係あるかどうかとか、わかんないよね~
ご心配なく!各都道府県には建設業許可の申請を代行してくれる行政書士の先生がたくさんいらっしゃいます。初心者の方でも親切丁寧に教えてくれますよ!
ツクリンクでも提携している行政書士さんが居りますので、相談したい方がいらっしゃいましたら、ぜひお問い合わせください!
建設業の法律や規則について聞いてみたいことがありましたらコメントにてお知らせください!
本記事を監修いただいた行政書士さんです!
佐藤栄作行政書士事務所
http://www.sato-eisaku.jp/
代表行政書士 佐藤栄作
東京都行政書士会 足立支部所属
登録番号:第05100037号
一般社団法人不動産ビジネス専門家協会 登録専門家
NPO法人起業家ホットライン 協力行政書士
一般社団法人公益資本主義推進協議会 監事
ノーベル平和賞を受賞し、連続在職歴代1位の記録が歴史に刻まれている第61、62、63代内閣総理大臣佐藤栄作と同姓同名。
学生時代にとび職のアルバイトをしていたことをきっかけに、建設業界に興味を持ち建設機械メーカーに就職、施工子会社での現場経験を経て総務・人事・経理・ISO事務局などの事務畑として現場をサポート。
平成14年より大手行政書士事務所にて、建設業許可、経営事項審査、入札参加資格申請などを担当。
その後の会社設立コンサルタント勤務を経て平成17年に独立。
許認可だけに留まらない広い守備範囲で起業家の方々をサポートしています。
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