ロープアクセス業界を「利他の心」で切り開いていく | 株式会社4U 上田雅人社長

今回は東京都清瀬市を拠点として無足場工法の「ロープアクセス」をされている株式会社4Uの上田雅人社長に新しい分野を切り開いていく際の苦労やお仕事への想いをお聞きしました。

登山ガイドからロープアクセス業界へ

−−御社の事業内容を教えてください。

建物、外壁の修繕工事です。あとは、プラントメンテナンスをロープアクセスで施工するというのをやっております。足場を使わないでロープにぶら下がって施工する方法ですね。

基本的にはマンション、テナントビルといった建物を施工することが多いです。最近はタワーマンションでの施工も増えてきました。

タワーマンションになると風の影響を考えたり、万が一に備えてのレスキュー計画が必要になったりといったように安全面に配慮した計画が絶対になくてはならないので、そこに関しては高いレベルを求められます。そういった施工もお任せください。

−−対応可能エリアを教えてください。

拠点は東京都ですが、日本全国出張可能です。

−−ご経歴を教えてください。

僕はもともと登山ガイドをしていました。それをやりながら、ビルの窓拭きという2つの仕事を同時進行でしていまして、結婚して子供ができたのを機にロープの仕事で独立をしました。そこからは塗装、シール、防水工事を取り入れたロープアクセスの会社を立ち上げて今に至ります。

ロープアクセスを始めたきっかけとしては、趣味で山登りやロッククライミングが好きで向いていると思ったからですかね。ロープで工事を行う会社は世に少ないですから、本格的に会社としてやっていけば世の中に必要とされるのではないかというのでつくりました。

新しい分野を世に広めることの苦労

−−設立当初の苦労はどういったところにありましたか?

世の中に知られていない業種ですから、営業ですね。特に自分が独立したときは0から営業をしていったので、まずはこういう仕事を知ってもらうことが大事でした。パンフレットを作っていろいろな工事会社に送りましたね。それこそ何千社も送りましたよ。

ロープでの外壁補修や打診調査などの仕事が1つずつ入るようになってからは、工事前に安全性と品質の保証を認めてもらうために苦労しました。安全性は大丈夫なのか、ちゃんと品質が出せるのか、工事が行えるのかというところですね。

−−設立当初と変化したのはどういったところですか?

2016年にロープ作業に関する法令ができました。そのことによって元請けさんに安心して伝えられるようになり、認められるようになりました。

僕らのやり方はなかなか認めてもらえないというのが正直あったので、法令が定められて、もちろん我々の技術も上がって、経験を積んで、そうやってだんだん受け入れてもらえるようになってきました。

−−社名の由来を教えてください。

英語の「For you」の文字を変えただけです。なぜそれにしているかというと、京セラの稲盛和夫会長の理念である「利他の心」というのを取り入れています。それは自分の為じゃなく誰かの為に世の中の役に立つことをすることで、企業もうまくいくという考え方ですね。その理念に感銘を受けて会社名にしました。

ロープアクセスを広め、憧れをもってもらえる業界にしていきたい

−−御社の強みを教えてください。

ロープレスキューを社員全員が身に付けていることです。ロープレスキューというのは、ロープ作業をしていた際に、万が一事故が起きた場合に作業員同士がお互いをレスキューできるようにするトレーニングのことです。

例えば、地上100 メートル地点にロープでぶら下がっていて、そこで事故が起きて救助が必要となった場合に、自分たちでレスキューができるようにしておかないと、事故が起きたときにどうしようもありません。

これを取り入れるというのは海外では当たり前なのですが、日本国内ではまだまだ整備されていません。ここ数年でようやく浸透してきましたが、まだ会社としてしっかり取り入れて整備しているところはまだまだ少ないです。

−−どのようなところを大事にしてお仕事をされていますか?

お客様にベストな提案をすることが大事でして、お客様から依頼があった工事についてロープアクセスでできることでも足場でやった方がいいようなものであったら、それを提案しています。ロープアクセスを中心に考える訳ではなく、お客様に合った提案をする。そういうことを大事にしていますね。

−−この仕事ならではのやりがいはどのようなことですか?

やはり僕にしかできない仕事はあって。具体的な例でいくと、去年の11月に山形の方で通行止めになった橋をロープアクセスで補強する工事をしました。

「それはもうロープでしかやれる方法はない」という中でうちに声がかかりました。それで工事が無事に終わり、橋が開通して地元の方に喜んでもらえました。その仕事は自分たちにしかできない仕事だったのでそういうところのやりがいは非常に感じましたね。

−−今後の展望について教えてください。

ロープアクセスはまだまだ建設業界で需要が少ないので、僕らがしっかり建設業界で役割を担っていかなきゃいけないと思います。

僕らのコンセプトは足場が組めないところや、足場で解決できない問題をロープアクセスで解決することなので、僕らのお客様はそういう問題を抱えた大規模修繕の会社、塗装会社、防水会社といったすべての工事屋さんということになります。

工事屋さんにしてみたら困ったときに頼れる存在。足場が組めなくて困ったというときに頼っていただきたいということですね。

そうやって建設業界の中にある問題を解決していくことで僕らが建設業界に受け入れてもらって認められていくというビジョンでやっています。

また、この業界に若い人が憧れを持って入ってきてもらうことも課題だとみんなで話しているので、そういう環境であったり、収入もしっかり安定しているというところであったり、他の人にはできない自分たちにしかできないようなやりがいのある仕事があるというところを伝えていかないといけないなと思っています。

さいごに

新たな分野を切り開いていく際の苦労やお仕事のやりがいをお話いただいた上田雅人社長。

今後もロープアクセスという業界をさらに広め、憧れをもってもらえる職業にしていきたいとおっしゃっていました。株式会社4Uにご興味がございましたら、下記ページからご連絡をよろしくお願いいたします。

株式会社4U 会社詳細ページ