電気工事の一人親方として独立され、2年強。今回は東京都小平市に拠点を置くWASTの渡辺拓さんに、独立の経緯や仕事をされるうえでの気構えなどをお話していただきました。
スケジュール調整などに苦労も
–まず事業内容を教えてください
個人事業主として電気工事業をしています。戸建住宅からマンション、店舗やクリニックなどの新築工事、改修工事における電気工事がメインですね。
–どんな工事をされるのですか?
屋内の、たとえばみなさんの生活空間の照明器具やそのオンオフスイッチ、コンセント、あと電気を使い過ぎると落ちちゃうブレーカーを収めた分電盤など。そういった器具を、建物の中の配線をして取り付けるといった仕事です。
–個人事業主としてやっておられるのですね。
そうです。従業員はおらず、いわゆる一人親方ですね。しかし同じような知人もいますので、手が足りないときにはお願いして手伝ってもらうという横のつながりはあります。
以前はまったく違う仕事をしていたのですが、電気工事をやっている友人がいたのでそこで働いて技術を身につけ、2019年の1月に独立しました。
–独立後いちばん苦労されたのはどんなことですか。
やはりスケジューリングですね。大型の新築物件だと工期1年などというところもあるし、ちょっとした改修工事なら1日で終わるケースもあるのですが、一人ですからそういうのを組み合わせて毎日の予定を立てなければなりません。現場が被ってしまうこともあるので、そういう調整にちょっと苦労しています。
経験がなくても「やります」を貫く
–仕事上のこだわりなどはありますか。
お客様本位で仕事をするということですね。たとえば当初2日の予定で工事の依頼を受けていても、1日でできるようなら終わらせて1日分だけお金をいただく。お客様は余計な人件費を払わなくて済み、そのぶんお客様の収益に貢献できることになります。
こちらとすれば痛いことは痛いですが、そういう姿勢が今後につながると思っていますし、実際それでリピートしていただいていると感じていますから。
–独立されてから何か変化はありましたか?
やったことのない工事でも「できません」とは言わないことですね。やはり何でもやらないと仕事にならないので、経験がない仕事でもまずお受けして、そこから必要に応じて設備投資をしたり必要な手順を確認したりという形で進めています。
最初はすごく不安でしたよ。でもそれを繰り返すことで経験値も上がってきたので、怖いという思いはだいぶなくなりました。「まあ何とかなるだろう」と考えられるようになりましたね。
–その場合の勉強などはどんな風にされるのですか?
独学で調べるか、電気工事の設計者に教えを請うことが多いですね。電気仕事って設計者がいて使う資材や施工方法などはある程度指示があるので、私はわからないことはもう素直に「どうしたらいいんですか」と質問します。
自分で調べる場合には、ネットの動画サイトもかなり役立ちます。今はYouTubeなどにもいろいろと専門的な動画がアップされていますから。
次のステップも視野に
–所在地が小平市とのことですが、対応エリアはどのあたりですか?
特に限定していません。交通費をいただければどこにでも行きますよ。最近では茨城県のつくばの現場もありましたし、神奈川県も横浜あたりにはよく行っています。
–取引先はどういうところが多いのですか?
建築って大きい現場だと元請けとしてゼネコンさんがいらっしゃいますが、電気工事の設計は電気の設計会社さんが行い、さらにそこから私たち職人に工事の依頼がくるという流れになっています。ですから取引先は電気の設計会社さんがほとんどですね。
その他、小さい工事だとハウスメーカーさんや工務店さんから直接依頼をいただくこともあります。うちはかなりお客様は幅広い方だと思います。
–職人募集などはされないのですか?
今のところはしていません。でも一人でやっているとどうしても急な仕事などを断らざるを得ないこともあるので、今後は従業員を雇うなどして対応できるようにしていきたいと思っています。それがこれからの課題ですね。
–いちばんのアピールポイントは何でしょうか。
やはりお客様のことを考えて仕事をするということです。工事をやるからには利益を上げないといけないので、自分だけでなく現場全体でみんなが儲かるような段取りというか仕事のやり方を続けていきたいと思っています。
さいごに
たとえ経験したことのない工事でも断らない、依頼があれば遠方の現場でもいとわない。渡辺さんのそんな仕事姿勢が、ご自身の技術力やお客様からの信頼を育んでいることを強く感じたお話でした。
ご興味がございましたら、下記よりご連絡をお願いいたします。