今回は神奈川県川崎市を拠点として改修足場工事や解体養生足場工事をされている、株式会社樋口興業の樋口大吾社長に、設立当初の苦労や会社の強みをお聞きしました。
幅広く足場工事からアスベスト除去まで扱う
−−御社の事業内容を教えてください。
足場の仮設です。組みたい足場の仮設足場とか、改修の仮設足場の架け、バラシといったところです。枠組足場や防音パネルの足場、次世代足場といったものまで、足場には結構カテゴリーがあるんです。
防音パネルや防音シートなどの使い分けも大切で、解体現場には防音シートや防音パネルを使用します。その名の通り防音シートは音を軽減でき、埃も遮断できます。
改修現場だと風の抵抗に強いメッシュという網目状のものが適しています。防音シートや防音パネルは風の抵抗には弱いです。
また、社員全員がアスベストの資格を持っているのでアスベストの除去、撤去の足場といった特殊な仮設足場にも対応しています。
さらに資材のリース、販売も行っています。
−−対応エリアを教えてください。
現在は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪の近郊エリアとなっています。特に大阪は新しく進出したエリアなので力を入れていきたいです。
職人家系で育ち、23歳で独立したプライド
−−社長のご経歴を教えてください。
中学校を卒業してから鳶業界に入りました。この業界一筋で20年くらいやっています。もう人生の半分くらい捧げています。
うちの家は職人家系でうちの親父も大工の会社をやっていて、親父のお兄さんも鳶の会社で専務をしていますがそこでは働かなかったです。知り合いの会社でやるのが嫌だったので。
それに、親がつくった会社を継ぐというのも自分でやっていない感じがして嫌だなと思って、自分で会社をつくりました。23歳で独立するまでは8年間、他の会社で同級生たちと切磋琢磨しながら働いていました。
−−鳶職を始めて大変だったところはどんなところですか?
夏は激熱だし、冬は激寒というところです。職人はみんなそうですけど、特に鳶職の夏の暑さは他の職人をやっていてもきついと聞きます。あとは高所作業も危険です。やはり人が乗るための足場をつくるということで、重い物を持ちながら高いところで動き回るので動く量も違います。
−−23歳で独立されたときに、一番苦労されたのはどういったところですか?
自分も動かなければいけなくて大変でした。若かったので請求書といったものもつくりましたし。やはり、周りから「若いから」と言われがちでした。今はそういう風潮はなくなってきましたけど。そのころとかは「まだ若いのにできるの?」と言われることは全然ありました。
−−会社を設立された当初から変化された部分を教えてください。
従業員同士の関係性は完璧に変わりました。業界的に職人と言ったら厳しく指導されることが当然です。鳶は特に忙しく、危険でもあります。命に関わるレベルで危ない仕事をしているときに、なかなか優しくは指導できないと思うんですよ。大声を出されることもよくあります。
その中でも、現在は時代に合わせて「そういうのはダメだよ」と社員に伝え、方針を変えてます。最初に比べたらかなり変わりました。
うちの専務も長くいたので、最初は「何を言ってるんだ」と思ったかもしれないですけどね。自分はそういうことをしていたのに人にはダメなのかと。でも、今はみんながそういうふうに心がけてくれているので、最初に経営したばかりのときとは全く変わりました。
経営者として時代に合わせて、やり方を変えていかなければならないという点は大きな課題ですよね。昔のやり方でずっと仕事をしていると、どんどん取り残されてしまいますし、パイオニアとして先に行くのも毛嫌いされることもありますし。みんなと同じにしていれば、普通になってしまいますし。経営者としての難しいところです。
安全・丁寧・スピードが揃ったいい仕事を
−−御社の社員にはどういった方が多いですか?
世代で言うと今、26~39歳くらいが多く、若い子は少ないです。全体として経験がある人が多く、もともと同じ会社にいた仲間もいます。
うちの専務はもともと同じ会社で働いていました。地元で偶然会ったときに、そこを辞めるという話を聞いたのがきっかけです。あとは紹介から入ってきた人もいます。やはり会社が良ければ「他の人も誘おうかな」となりますよね。
鳶業界は、近しい他会社の人を引き抜く行為が、タブーとされているので、経験者を連れてくるのは難しいのですが、そういう広がりもあってうちは経験者が圧倒的に多いです。
最低でもみんな5~7年くらいの経験はあります。他の会社から来た人でも業界未経験の人はいません。同業者からも「樋口さんのところは腕のいい人が揃っていますね」と言われるので、そこは自慢です。
−−御社の強みを教えてください。
うちは「腕がいい」と言われることが多く、何回も取引をしてくれる会社も多いです。お客様の中には「協力業者に樋口興業っているよね?だったら樋口興業でやるよ」という会社もあります。規模が大きい会社の中には「協力会社に樋口興業がいないなら、やらない」といってくださる会社もあります。
仕事をする際は、もう1回お客さんに頼んでいただけるような仕事にこだわっています。安全であることは当たり前として、対応能力が強みです。
レスポンスが悪いと「あそこの会社はダメだな」と思われてしまいます。例えば、日曜日でも「あの会社は出ないんだ……」とか。レスポンスが良ければ「あの会社はいいね!」と思ってもらえるじゃないですか?そこには気を配っています。
安全で丁寧、スピードもあるので、他と比べたらうちに任せて間違いないと自信を持っています。
−−今後の展望について教えてください。
新しく大阪にも支店を出したので、大阪の支店を関東と同じくらいに伸ばしていきたいと考えています。
あとは、将来のことも考えて得意分野をさらに広げていって、さまざまな工事をできるようにしていきたいです。
さいごに
設立当初の苦労や会社の強みをお話いただいた樋口大吾社長。安全・丁寧・スピードが揃った仕事を得意とする株式会社樋口興業にご興味がございましたら、下記ページからご連絡をよろしくお願いいたします。