東京都足立区に拠点を構え関東圏で床工事をおこなっている、株式会社陽翔インテリアの横山直樹社長に、床工事に関してのこれまでの経験や、現在の思いなどお話を伺いました。
聞きなれなかった置床工事業
−−御社の事業内容を教えてください。
私たちは床の工事をおこなっています。置床工事というんですが、新築マンションをメインとし賃貸リノベーション、ビル、店舗の床上げを対象としていますね。置床工事なんて聞きなれない人もいると思うんです。私も始めるときは全然聞いたことなくて、作業自体どうやってやるの?って感じでしたね。
−−どのようにして床の工事業に携わるようになったのですか?
もともと、高校卒業してからはペンキ屋に入ったんです。そのあと父親が設備の会社を、知り合いと共同で立ち上げて、協力してほしいって言われたので、1年くらいでペンキ屋を辞めて父の設備関係を手伝っていました。
それも1年くらいした時に、父親の会社自体がうまくいかずに、別の仕事を新たに探していたんですけど、地元の先輩が置床工事をしていると人づてで聞いて、紹介してもらったのがきっかけです。もう置床工事業で18年目になりましたね。
−−会社を立ち上げたきっかけはありますか?
個人事業主としていろいろ置床工事に関して教えてもらい、2019年に会社を設立しました。始めは税理士さんからのアドバイスで、法人化しないとと言われたので仕方なくって感じでした。
業界的に置床工事業が少ないのと、社会保険とかしっかりしておくことで、お客様からの信頼が一番得やすいと思ったので、法人化してよかったですね。
床工事のプロだから、短工期で高品質の提供を
−−置床工事業で大変な部分はどこですか?
単純にパーチクルボードっていう木の板が重いですね。1枚16キロくらいあるんですけど、分譲マンションの3LDKの部屋でいうと60枚くらい敷き詰めるような感じなんです。なので車で運ぶのも大変ですし、そのあと敷き詰める作業も体力使いますし、だいたいこの工事業を始めた人は10キロくらい痩せますね(笑)
それくらい体力と筋肉が必要な作業になります。
−−置床工事業の魅力を教えてください。
業界からしたら絶対必要で、認知度がかなり低いです。皆さんが住んでいる家も、置床してある状態なので、絶対必要なんですけど認知されていないので職人の数が少ないです。だから置床の工事と依頼したい依頼主さんから、かなり重宝されますね。
若い子で稼ぎたいっていう子にも、うってつけの仕事ですね。他の建設業界はある程度認知されていて、相場の単価も低いと思うんですけど、完全歩合制で、頑張ったら頑張った分だけもらえるのは一緒だと思うんです。
ただ長年の経験者があまりいないので、絶対に将来役に立ちますし、これから先も重宝されますね。
−−そんな魅力ある仕事の中で、お仕事のこだわりを教えてください。
まずは安全管理ですね。やはり材料がとても重いので、下手したら事故につながる可能性もあります。運び方一つで、自分自身の事故や、物損につながりますのでその部分は注意深く伝えてますね。そしてスピードもなるべく早く対応できるようにしていますね。
職人さんのモチベーションをあげることで、予定工期が早めに仕上がることもあるんです。なので職人さんのモチベーションアップは常に心がけています。
−−そのほかに御社のこだわりはありますか?
材料の仕入れですね。置床のメーカーさんでトップシェアを占めている企業の、メーカー担当者さんと仲が良いんですよ。そこでルートを開拓してもらったので、材料を直接、配送業者を介して頼めることができるので、相場の材料よりも安く提供ができますね。
なので大工さんから直接材料を買うよりも低価格なので、コスト的にも同業者さんより抜きん出ているかなと感じます。
東京都や区の仕事をこれからやっていきたい
−−これからやっていきたいことを教えてください。
現在多能工の仕事をしている会社さん、職人さんが多いと思うんです。僕自身あれもしたい、これもしたいって欲はなくて、今やっているメインの仕事に特化していきたいです。
満足いく仕上がりでなかったときに、「メインでやっている仕事じゃないから、しょうがないですよね」って思われたくないんです。なのでこれから先も床工事業1本で、やっていきたいと思っています。
その上で、東京都や区の仕事をやっていきたいと思っています。なんとか関わりのある会社さんと繋がって、工事入札に参加でき、学校や施設の床を綺麗に安全に仕上げたいですね。
今だと東京都や区の入札は、どうしても決まった企業さんが対応することが多いんです。とりあえず小さい工事入札に少しずつ参加して、ゆくゆくは大きい仕事を任せられるまでにできたらと考えてます。
−−今後の将来に関して教えてください。
置床工事業と仕上がりのフローリング、この2軸で回していきたいと考えています。そして若い職人さんにもっと床工事業のことを知ってもらい、技術を継いでくれる人がいたらいいと感じますね。
もちろん今いる職人を路頭に迷わせたくないので、床工事業として、これからも先陣切りたいと思います。
さいごに
これまで床専門でやってきたからこそ、確かな技術と、そこに対しての熱い思いが株式会社陽翔インテリア 横山直樹社長に伺うことができました。
法人化することはあまり考えていなく、税理士さんのきっかけからとのことでしたが、今では法人化したことにより、取引先企業様やお客様から信用が得られたそうです。
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