建設業界で女性がもっと活躍できる環境へ!国が取り組む応援プロジェクトとは?

 「建設業界でもっと女性が活躍できる環境にしよう」という取り組みが積極的に行われています。国土交通省は業界団体と共同で、2014年に女性活躍推進プロジェクト計画として「5年以内に女性倍増」という目標を掲げました。建設業界全体で協力し合い、より一層女性が働きやすい環境づくりへと向かっています。ここでは官民一体となった取り組みを紹介します。
 
 

「もっと女性が活躍できる建設業」推進事業とは?

 国土交通省は「もっと女性が活躍できる建設業」へ向けた取り組みとして、次のような目標を掲げました。

  • 女性技術者・技能者を5年で倍増すること
  • 女性の活躍が更なる女性の活躍を生む「好循環」へ導くこと

「女性技術者・技能者を5年で倍増すること」の背景には以前は20万人を超える女性技術者・技能者が激減したことが挙げられます。1997年(平成9年)当時に女性技術者・技能者は26万人とピークに達していました。しかしながら、その17年後の2014年(平成26年)には合わせて10万人まで減少し、その内女性技能者は9万人とピーク時の約1/3にまで激減したのです。このようなことから、2014年の10万人をピーク時に近い20万人まで引上げようという目標が掲げられ、2019年(平成31年)までの達成目標としています。

「女性の活躍が更なる女性の活躍を生む「好循環」へ導くこと」とは、業界団体が実際の数値目標を設定し、女性の採用や登用を促進することや女性が働きやすい現場づくりを専用トイレの設置などハード面からも整備すること、女性技術者の登用を促すモデル工事を実施すること、職業訓練の充実など8つの行動計画の取り組みが実施されています。前に述べた「業界団体」とは以下を指しています。

  • (一社)日本建設業協会
  • (一社)全国建設業協会
  • (一社)全国中小建設業協会
  • (一社)建設産業専門団体連合会
  • (一社)全国建設産業団体連合会

 
 

建設業 女性の活躍応援ケースブックとは?

 建設業における女性活躍の推進事業のひとつとして、国土交通省と業界団体が協力し、女性を応援する「建設業 女性の活躍応援ケースブック」という電子ブックを作成しました。この取り組みは、女性の活躍を応援するには具体的に何をすれば良いか、実践している実例などを交えながら先進的な取り組みなども紹介するものになっています。

例えば、子育てをしながら働くママさんが保育園送迎の時間帯を確保できるバックアップ体制の実例や、育児・介護休業制度を自社の制度に取り入れる方法など、実際に働く上で不安に感じている身近な体験を参考にすることができます。また、ハード面での女性が働きやすい環境づくりにおいても、女性専用の仮設トイレの設置や女性の声を反映させた作業着など、新しい発見を与えてくれるものになっています。有能な女性社員を管理職に登用するなどのモデルケースも実例として紹介され、登用した企業は「女性社員のモチベーションが向上した」と語っています。
 
 建設業界に限らないのであれば、社会進出している女性は増加している状態ですが、建設業界での女性技術者・技能者が17年間で半分以下に減少していたのは予想を超えた統計ではないでしょうか。地域によっては住宅の現場管理者などの人材不足も深刻であり、慢性的に人手不足となってるケースもあります。今後もより一層、積極的に女性の雇用を検討しなければならないでしょう。家庭との両立や現場の環境整備など、改善していかなければならないことはまだまだ山積してはいますが、今後も女性活躍に向けての取り組みに期待していきたいですね。
 
 
(参考)
 国土交通省
  http://www.mlit.go.jp/
 建設業女性活躍応援ケースブック     
  http://genba-go.jp/content_category/know/woman/casebook/
 
 
 


ライタープロフィール
ペンネーム GOKURA
 
住まいのプロ。注文住宅業界に15年以上従事。
現在は在宅で、家づくりのサポート業務・営業企画を行う傍、ライターとしても活動。
注文住宅に関する管理業務を一気通貫して経験しており、リフォーム、不動産関係を得意とする。

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