建設業の働き方改革!週休2日実現までの道のりは?

 2017年非常に話題になった働き方改革。建設業界においても、長時間労働の実態を受け、国土交通省が長時間労働の是正を呼びかけています。業界団体としても日本建設業連合会は2021年までに、「週休2日」を目指し、働き方改革を推進しています。今回は建設業における働き方の課題や、働き方改革の現状について解説していきます。
 
 

建設業の労働実態について

 建設業は他の業種と比べ、長時間労働が常習化している業界です。実際に全産業の平均実労働時間が 1720時間なのに対し、建設業の平均実労働時間は 2056時間となっており、年間出勤日数は全産業平均 222日、建設業 251日となっています。また、建設業の4週あたりの休暇取得日数は 4.6日となっており、週休2日が実現した場合4週あたり8日の休暇取得になるので、現状と比べて約2倍の休暇取得実現を目指すことになります。
ほとんどの業種で週休2日が当たり前のように実施されている中で、建設業が長時間労働から脱却できないのには様々な要因があります。以降ではその要因について解説していきます。
 
 

建設業の長時間労働常習化の背景

 建設業界が長時間労働常習化してしまう要因としては、以下の3つが挙げられます。
 
1.天候に左右されやすい
これは非常に想像しやすいのではないでしょうか。例えばコンクリート工事などでは、雨が降っている中でコンクリートを流し込むことはあまり良いことではないので、工事自体を止めるということが珍しくありません。また、コンクリートは基礎部分に使われることが多く、工程の前半に行われる基礎工事が遅れると、玉突き的に他の工事の開始日が遅れます。この遅れを取り戻す為に休日出勤や残業などで対応されることは建設業界ではあるあるです。台風の多い夏前や秋口などは影響が大きそうですね。
 
2.繁忙期・閑散期の差が大きい
建設業界は繁忙期と閑散期がはっきりと分かれる業界です。毎年度初頭の4、5月に閑散期を迎え、繁忙期のピークである年末12月に向けて徐々に工量が増加する曲線を描きます。
また工量が安定しないことにより正規雇用がしづらく、繁忙期には非正規雇用によって雇用を確保していると言われており、国土交通省発行の「建設業の働き方として目指して行く方向性」では、昨年2016年における繁忙期と閑散期の建設業従事者の差は29万人とされています。
 
3.時間外労働の条件規定が適用されない
厚生労働省発行の「時間外労働の限度に関する基準」では、「一ヶ月で45時間」「一年で360時間」を超える時間外労働(一週間で、40時間を上回った時間)は禁止。とされていて、所定の時間を超える時間外労働が発覚した場合、罰則が課されます。
建設業に関する企業は守らなくてよい法令とされている訳ではなく、他業種と同様に厚生労働省の告示を受けています。しかしながら、建設業は「時間外労働の限度に関する基準」の適応除外とされており、違反した場合でも罰則が課されることがありません。
 
 

建設業における働き方改革の動き

 この建設業特有現状を鑑みて、2017年3月28日に決定された「働き方計画実行計画」では、繁忙期・閑散期の差が大きいことと時間外労働の条件規定に対しては個別に見直しと対策が行われました。
まず繁忙期・閑散期の差が大きいことに対しては、年末に納期が集中することを根本的原因として捉え、適切な工期設定が行われるよう推進活動が行われています。
加えて「週休2日応援ツール」として、国土交通省より「工期支援システム」が公開され、HPでダウンロードすることができるなど、労働管理環境面での支援を実施しています。
また時間外労働の条件規定が適用されていないことに対しては、労働基準法の改正が行われる予定で、施工5年後に建設業にも適用される運用に変更されます。特別条項でも上回ることのできない年間労働時間(720時間)が設定されています。また時間外労働時間について2~6ヶ月の平均いずれでも80時間以内にすること、単月100時間未満とすること、 原則月45時間を上回る月は年6回を上限とすることの3つが設定されることとなりました。いずれかを超過した場合に罰則の対象とされる法令に改正されます。
 
 

建設業における働き方改革の今後

 建設業界でも週休2日の実現を目指して是正改革が行われていますが、他業種と比べて対応が遅れています。政府は方針として、2017年中に法案をまとめ、2018年に審議・施行準備、2019年4月以降の施行を目指す。としていますが、日本建設業連合会は石井国交相に、時間外労働の上限規制の導入について、東京五輪以降、相当の期間を置いて段階的な実施を要望しています。

 また建設業は従事者の高齢化により、この10年で大量離職時代がくると言われています。
3K 「きつい・汚い・危険」などを理由に若者が敬遠する現状を改善せねば、私達の生活の基盤となる建設業の衰退は避けられません。
リーダー企業の先導やIoT技術の発展、i-Constructionの推進、プレキャスト化の導入などで、いずれ働き方改革の実現が可能であるとはいえ、建設業に関わる職人さん・経営者さんの意識改革と共に、発注者側も建設業に対する考え方を改めなければならないのではないでしょうか。
生活の基盤となる建設業の今後に注目です。
 
 
(参考)
 国土交通省 
  http://www.mlit.go.jp/
 厚生労働省 
  http://www.mhlw.go.jp/
 首相官邸HP 
  https://www.kantei.go.jp/
 一般社団法人日本建設業連合会 
  http://www.nikkenren.com/

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