東京・墨田区の株式会社大場工業は、創業15年、法人化して4年目になります。お客様のリクエストに応えつつ、さらにプラスアルファの提案をしたいという代表の大場淳さんに仕事に対する思いを伺いました。
「いずれは独立」という思いから
−−足場工事をメインに手がけられているのですね。
おもに枠組足場と単管足場で、新築もやりますが改修工事の足場がメインです。足場の仕事だったら何でも対応できますが、多いのはマンションやビルですね。
−−大場さんご自身のご経歴を教えてください。
もともと独立志向というか自分で何か事業をやりたいという思いがあって、学校を出てから建設業界だけでなくいろんなことをやっていました。足場工事の仕事に就いたのは、24歳のころ。たまたま選んだ仕事でしたが、肌に合って今日まで続けてきました。
−−独立されたのはどんなきっかけからですか。
給料ですね。5年くらい勤めたのですが頭打ちで、それ以上上がりそうになかったので自分で始めることにしました。個人事業主として独立したのが15年ほど前で、法人化したのは2017年です。
−−順調にスタートできたのでしょうか。
創業当時は一人だったので、まず仕事がない、依頼が来ても仲間がいないということでたいへんでした。最初のころは地元の後輩などのツテを頼ってしのぎました。今ではベトナムからの技能実習生を含めて4人のスタッフがいます。
−−法人化されたのにはどんな背景があったのですか。
単純に「大きくしたい」「いろんな方向に展開して行きたい」という思いが強かったですね。今でもまだ二次請けが多いのですが、少しずつでも一次請けを取っていけたらと思っています。
あとは建設業許可を取るのに、個人で取っても法人化するともう一度取らなければならないので、二度手間を避けたいという考えもありました。
−−工事の対応エリアはどの辺りまでですか。
会社は東京の墨田区ですが、依頼があれば関東一円に対応します。でも実際には出張はそれほど多くありません。
求めたいのは「思いやりの心」
−−どんな業種のお取引先が多いのですか。
建設会社さん、リフォーム会社さんから塗装屋さん、防水屋さん、大工さんなどさまざまです。エアコンの取付工事などで、電気屋さんもありますね。まあ足場なので、建物に関わる工事をされる業者さん全般がお客様です。
−−新規でお取り引きするかどうかは何で決められるのですか。
うまく言えませんが、会ったときの感触です。これまでに何度か不払いなどの目に遭っているので、最近では実際に会って話した感触で「危ないな」というのが何となくわかるようになってきました。今のところ、わざわざ調査することまではしていません。
−−職人さんについては、どういう人を求めていますか。
あたり前ですが、やる気がある人ですね。無断欠勤しないとか、やって当然のことができれば問題ありません。朝ちゃんと現場へ来て、やる気出して働いてくれればOKです。
−−スタッフのみなさんに求めていることはありますか。
私がよく言っているのは、みんなが仲良くお互いのことを思いやれるチームにしたいということです。足場の仕事って物を渡す側と受け取る側がいて成り立つわけで、お互いに思いやりながら動かないとうまくいかないんですよ。
なので新人が入ったら最初に教えることは、物を渡すときにはちゃんと相手を確認して、安全に、受け取りやすいように差し出すということです。また、思いやりを持って働いてほしいとい伝えています。
−−挨拶もきちんと教育されているそうですね。
そうですね。お客さんにはもちろん、マンションだと多くの方が住んでいらっしゃるので「挨拶はきちんと」「大きい声を出さない」といったことは徹底しています。
−−コロナ禍の影響は何かありましたか。
去年の最初の緊急事態宣言のときは、現場がだいぶ延期や中止になりました。それでも徐々に回復してきて、今はそれほど影響はありませんね。
使う人にとってベストな足場を
−−お仕事をされる上で、何かこだわりはお持ちですか。
安全で使いやすい足場を組む、ということです。足場って職人さんが仕事をするためのものなので、安全でかつ使いやすいことが大事。いろんな業者さんがいるけれども、どう組めばそれぞれの職人さんが働きやすいか考えて提供することが一番大事だと思います。
−−どうやって実現していくのですか。
お客さんの業種ごとに結構リクエストされることがあるので、リクエストに対してきちんとお応えし、さらに「こうしたらもっとやりやすいんじゃないか」と思ったことを積み上げていきますね。
また、あたり前のことですが、工期内に納めることも大切にしています。
−−足場の仕事ならではのやりがいって何でしょうか。
足場の仕事って、現場で臨機応変に対応しなければいけないんですよ。改修工事の場合はもう建物が建っているので、現場を見て考えながら造っていくのが面白いんです。もちろん予算もありますから、予算の中でいかに使いやすい足場を造っていくか、毎回チャレンジです。
−−将来に向けてどんなビジョンをお持ちですか。
お客さんと従業員両方をバランス良く増やしていきたいのですが、どちらもなかなか難しいですね。特に新人の採用が厳しい。うちはベトナム人の技能実習生が2人いて、毎年2人ずつくらい受け入れていきたいと思っていたのですが、今はコロナの影響で渡航できないのでちょっと止まっています。
−−技術指導するのに言葉の問題などはないのですか。
最初は心配でしたが、言葉は現地でも勉強してきますし、すごく一生懸命やってくれます。さすがに来日当初は言葉も拙かったですが、3カ月もしたらだいぶ上達して、今では技術的にも立派なものです。できれば今後も継続的に受け入れていきたいと思っています。
さいごに
海外からの技能実習生にも、仲間への思いやりや現場での挨拶の大切さなど、技術以前の心得から徹底して教えるという大場さん。そうしたことの徹底もまた、仕事の質の高さにつながっているのでしょう。
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