地元静岡に還元するため経験を活かそうと思った時、様々なギャップを思い知らされた|株式会社クワバラ 桑原実社長

今回、静岡県焼津市に拠点を構え内装工事をおこなう株式会社クワバラの桑原実社長に、静岡県で会社を構えたきっかけとこれからの将来に関してお話を伺いました。

地元静岡でクロス業に就きたい思いから、会社設立へ

−−御社の事業内容について教えてください

静岡県焼津市を中心とし、内装工事業をおこなっています。クロスの貼り替えを主にやっており、その他に現状回復工事、間取り変更も力を入れてやっています。

−−現在の業務をするようになったきっかけを教えてください

18歳で高校を卒業し、そのあと専門学校に通う時ために、東京に上京したんですが、いろんなアルバイトをやっている中で、ハウスクリーニングのアルバイトにたどり着いたんです。

そのハウスクリーニングのバイトをしている時に、元請さんが内装工事会社の人が多く、店舗や事務所の改装とか、見ているうちに、こっち側の現場監督になりたいなと思ったんですよ。

その当時業界での知り合いが、クロス職人の親方さんでして、紹介してくれたのが内装工事会社さんだったんです。約7年程その会社にはお世話になりましたね。

−−会社を立ち上げたきっかけを教えてください。

はじめは独立する気は全くなかっのですが、私の地元が静岡県焼津市で、東京の内装工事会社さんでいろんな職人さんと出会え、様々な経験ができ、業界のことをある程度勉強できたので、そろそろ地元に戻ろうと思い会社を退職しました。

同じ業界で地元地域を活性化させたいなと思い、タウンページとかハローワークとかに出向き、内装工事会社を探したところ、なくはないんですけど、親子でやっていたり、親方さん1人でやっていたり、法人化していても人を(営業職、番頭)雇うころがなく、すべて断られたんです。

その時、愛知のリフォーム会社さんが、静岡に進出してきたんです。アパートのリフォームの担当経験があったので、新しい会社を探す間と思い、入社しました。

しかし、私が東京で営業経験があるのを会社の担当者が知っていて、東京に戻されてしまったんです。一応半年間ならと約束しておりましたが、半年たってもなかなか静岡に帰してもらえなさそうだったので、2社目の会社も退職しました。

2社目の時に、自分で問屋さんとか職人さんとか探していたので、一人で立ち上げる土台作りができたと思い、独立を決意しましたね。

−−法人化した後の変化はありましたか?

当時目標にしていた東京の先輩がいたんです。話を聞くと大体3年くらいで、法人化しているんですよ。自分も3年くらいで法人化できると思ったら、5年かかりました。

個人から法人化するといろいろ考え方が変わりますね。個人でやっているとお客様の信頼度って違うんですよ。もちろん法人化すると登記登録されるので、取引先から仕事を出さないとって意識が変わったり、エンドユーザーからは安心して任せてもらえるようになりましたね。

その分、妬まれたりしたこともあり、地元の知り合いからあれこれ言われたりもありましたね。その部分には長い歴史があることを知らないので、簡単に言える部分もあるでしょうけど、わかる人にはわかるので、付き合いのある元請さんには感謝ですね。

東京から地方のギャップを感じた

−−会社設立の苦労を教えてください

法人化しても、目標としている売上に、届かないないことがあったんですよ。理由は単価の違い、対応エリアの違い、この2つが要因でした。

東京は地方より1割くらい単価が高いのと、案件数が多いので、1つの町で仕事ができるんです。当社の今の売り上げを考えると、それだけで達成できるんですよ。現在は静岡県の中部地方をまわっているんですが、酷い時には1日100キロくらい走ってます。

これは地方ならではですし、対応エリアが本当に広いので、1件行くのに1時間高速で車を走らせたりしますね。

そういったところが独立したばかりの頃はわからなかったので、設立当初は本当に難しく法人化に5年かかりました。

−−東京とのギャップは職人さんに関してもありましたか?

技術の違いはありますね。やっぱり東京の職人さんって、弱肉強食なので、素早く綺麗にやることを中心に考えていると思うんですよ。なので、手早いのはもちろんなんですけど、ものすごく綺麗なんです。

クロス張りを中心に見てきたので、ノリのつけ方とかムラにならない方法とか、間近で見てきたんです。

私が東京からきたというと新しい技術とか、東京の職人さんがやっていた方法を、聞く人もいますね。どんな風にやっているのかとか。

地方の職人さんは、新しい機械とかあまり興味がないみたいなので、聞いてみると面倒な工程を挟んでいたりしますね。

そういったところも地方ならではかなと、感じました。

−−御社ならではの強みはありますか?

僕が職人じゃなく営業といった部分ですね。よく「今から来れる」と聞かれるんです。そういったところでフットワーク軽く現場に行けるので、見積もり対応もすぐできます。

もちろん現場が遠いところもありますが、時間調整できればすぐなので「いつもすぐ来てくれるから助かるよ」なんてお声をお客様から頂くこともありますね。

急遽立ち合いが必要になる時もあるので、責任者として必ず動けるような体制をとっています。

−−クロス業の強みを教えてください。

クロスの張替えは、手軽で一番変化が見て分かりやすいんですよ。もちろんお風呂場やキッチンの入れ替えもわかりやすいですが、お金もそんなにかからず、施工期間も短く手軽に変化が実感できるのが大きいです。

今はクロスに変わる職業がないと思っています。昔は仕上げ業が左官さんや壁塗業がペンキで塗ったりしたんですけど、手軽で、時間がかからない仕上げは、今出てきてないので極端なことをいうと永遠に続く仕事かなと思います。

ペンキよりも仕上がりも綺麗で早そうなイメージを持っていただく方も多いですし、本当にそうなんですよね。

−−お仕事におけるこだわりはなんですか?

今の時代、ジャンルとしては建築業をやっていますけど、半分以上はサービス業と同じことをやっていると感じています。

お客さんに対して、昔みたいにぶっきらぼうな態度だと、喜ばれないんですよ。なので最低限のマナーというのは気をつけています。

挨拶はもちろん、現場先において駐車場所や、対応する部分に関して、細かく説明したりしますね。

クロス業から修復修繕業

−−これからやっていきたいことはありますか?

今、内装工事の他に、それ以外で火災保険を使ったリフォーム工事をおこなっています。

よく台風の影響で、屋根の瓦がずれたりとか雨戸が飛んだりとか、そのような修復修繕依頼は直接工務店さんに電話して直したりするんですね。

ただ火災保険の特約で風災、雹災、雪災でも補償されるんです。あまり知らない人がほとんどで、工務店さんとかに任せると、高い金額を払って直さなくちゃいけないので、安く直せる部分があるんだよってことを広めていき、その保険を使って悪くなったところを直しませんかってやっていきたいなと思ってます。

自然災害が多い日本なので、余計に保険で補償できると家も守られて金銭的にも、ご依頼主さんの負担が楽になるんですよ。当社では約3年前から始めているんですが、宣伝方法がタウンページやHPだけになるのが、なかなか難しいですね。

ただタウンページを見たってお客様から、年に数回台風の後なんだけどちょっと見てくれって連絡があったりするので、これから広められたらいいと思ってます。

−−今後の将来に関して教えてください

静岡でクロス会社がないと思って、様々な経験を経て会社を立ち上げたんです。これからも地元の同級生とともに会社を広めて、育ってきた静岡県を活性化できる会社にできることと、今一人営業でいろんな取引先さんと案件の依頼対応をしているので、もう少し営業できる人間を増やしたいと思っています。

静岡の地元貢献に役立てたら、将来的に関東圏内で勝負できたらと感じています。

そうすると今お願いしている職人さんの刺激にもなりますし。

さいごに

東京で営業経験を経たからこそ、地方のギャップを感じたとお話くださった株式会社クワバラ 桑原実社長。これからはクロス業を継続しながら、修繕修復に力を入れていきたいとお話をしてくださいました。

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