半導体製造の最前線で活躍する特殊な配管の工事を担う | 株式会社伸永興業 酒井伸二社長

配管工事の中でも半導体工場の数ミリ単位の配管など、特殊な分野に強みを持つ株式会社伸永興業。広島県を本拠に事業展開する同社の酒井伸二社長、そして専務である奥様にお話を伺いました。

独立から19年、会社設立から5年

−−おもな事業内容を教えてください。

配管工事に特化したプラント工事を手がけており、現在は半導体工場の配管工事をメインにおこなっています。ミリでいうと6.35とか9.52といった径のチューブ管をベンダーで曲げて自動溶接機で溶接していく、一般的な配管工事と違ってちょっと特殊な工事です。

−−どんなきっかけで管工事を始められたのですか。

最初は薬品会社に勤めていました。工場や配管、ラインの機械などを自社で設計するような会社で、そこの設備を担当していました。さすがに大きい工事となると外部の業者さんに依頼するのですが、その職人さんたちの技術を知りたいと思ったのがきっかけでした。

それからいろいろと研究しながらやっていたのですが、20代後半になって「独立してやってみないか」と勧められ、2003年に独立。それから一人親方として経験を積んで、2016年にこの会社を設立しました。

−−法人化して苦労されたのはどんなことですか。

工事の方では特に問題はありませんでしたが、帳簿関係がたいへんでした。従業員の雇用保険をかけなければいけないとか、そういう諸々のことですね。

−−法人化から5年。どんな変化がありましたか。

やはり安定してきました。一人親方のときは単価も安くお金に苦労したことも少なくありませんでしたが、長年やってきて信用も付いてきたし、法人化して価格交渉もできるようになりましたから。何より、従業員がみんな頑張ってくれているのが大きいですね。

挨拶を徹底し、資格取得を奨励

−−従業員の方は経験者を採用されたのですか。

未経験者が多いですね。まず仕事で知り合った職人さんたちをスカウトして彼らをリーダーにし、あとはハローワークで何人か採用して育ててきたという感じです。大工など他職種からの転身が多いですね。私も毎日現場へ出ているので、そこで一から教えてきました。

−−いろんな資格をお持ちの方が多いのですね。

そうですね。せっかく入社してくれたのだがら、本人が興味のある資格は取ってもらいたいと思っています。仕事にも波があるので、暇な時期はそうした資格取得に当てています。

−−コミュニケーションなど心がけていることはありますか。

メリハリを付けることでしょうか。仕事中は厳しく接しますが、休憩時間にまで引きずらないように。陽気な従業員が多いので、社内の雰囲気は明るいです。

−−どんなことを大切に仕事をされていますか。

何事も謙虚に、嘘をつかない。失敗したら失敗しましたと正直に伝え、同じミスは繰り返さない。それだけです。

−−従業員の方にもそう求めているのですか。

そうです。ミスは誰にでもあるけれども、同じミスはするなと。

あとは礼儀ですね。毎日必ず挨拶するように、挨拶が返ってこなくても必ず毎日自分から挨拶するように。礼儀というより一般常識ですが、うちの従業員たちは挨拶はきちんとしていると思います。

みんなが家族に誇れる仕事を

−−対応可能エリアはどの辺りでしょうか。

これまではほとんど広島県内ですが、状況に応じて他県の仕事にも対応します。

−−コロナ禍による影響は何かありましたか。

部品の供給が止まって、工場に機械が入ってこないといったこともありました。機械が来なければ新規工事もないので、その辺でだいぶ影響はありました。

−−今後の課題はどんなことでしょうか。

工事が止まって困ってしまった経験から、今後は自社で製品を製造・販売できないかと考えています。配管の継手などを作って、それを使ってくれる各方面の業者さんとつながっていければと思っています。

−−会社のアピールポイントを教えてください。

何でしょうね。自分ではうまく言えないので専務からお話します。

(以下、奥様である専務取締役談)

お客様からは、一人親方時代から社長が築いてきた実績や信頼が大きいというお声をいただきます。今では従業員もスキルアップしてきて、安心して現場を任せられるようになっているので、それも評価につながっているのかなと思います。

−−専務にはどんな創業の思い出がおありですか?

私は経理担当なのですが、ヘルメットを被って一緒に現場に出ることもあるんです。現場の実態がわからないと経費の使い方などの実際のところもわからないと考えたからですが、そういうことが肌で理解できましたし、職人さんとのコミュニケーション、体力面のたいへんさなど、いろんなことを知ることができてすごく良かったと思っています。

−−専務が感じられる今後の課題は何でしょうか。

まず、人材育成です。現在は社長が常に現場へ出て指揮していますが、そろそろ次世代にバトンタッチしていって欲しいと思っています。

もう一つは、従業員のみなさんにもっと誇りに思ってもらえるようにしたいということです。管工事は表には出ない陰の存在ですが、間違いなくお客様や社会の役に立てている仕事です。だからみなさんにもっと「この会社で働いて良かった」と思ってもらえるように、この仕事を自分の家族にも誇ってもらえるように、努めていきたいと考えています。

さいごに

お客様からの厚い信頼を背景に、会社の成長、従業員の成長に手応えを感じながら歩み続ける酒井社長ご夫妻の充実した日々が伺えるようなお話でした。

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