都内23区からの内装リフォームの依頼に広く対応されている有限会社ワークサービス。今回は長く安定した事業を続ける同社の椎名和彦社長に、その秘訣を語っていただきました。
クロス張り替えから広がる仕事
−−おもな事業内容を教えてください
クロスの張り替えをはじめとした、内装の仕上げ工事全般を手がけています。床の張り替えや水回りのリフォーム、畳替えなど幅広くやっていますが、基本的に作業は専属の職人さんや協力会社さんに依頼し、私たちは営業と現場の管理を行っています。
−−ホームページではクロス張り替え工事をPRされていますね
クロス張り替えの依頼を受けて工事に行くと、お客様とお話していくる中でいろんなリフォームのご要望が出てきます。それに一つ一つ対応していくというスタイルですね。だから、クロスはいわば一つの取っ掛かりなんです。
ホームページで集客しても価格競争は激しいですし、正直なところ商売としてはあまり魅力が大きいものではありません。でも、うちはリピートのお客様がすごく多いんです。アパートの大家さんや企業の工事担当の方など、10年20年来のお付き合いというお客様もいらっしゃいます。ありがたいことですし、おかげさまで経営も安定しています。
−−どんなきっかけでこの仕事を始められたのですか
最終的に何かの仕事で独立したいと考え、社会へ出てからいくつかの仕事を経験しました。そんな中でリフォームの仕事と出会って、30歳になったのを機に独立しました。今年で27年目になります。
−−設立当初、苦労されたのはどんなことですか?
やはり営業ですね。三次、四次下請みたいな仕事をして痛い目に合ったこともあります。とにかく仕事を作らなければいけないと、直接お店や病院、不動産屋さんなどをひたすら足で回りました。個人のお客様にアプローチするツールなんて当時は何もなかったですから。
そのうち不動産屋さんから仕事が来るようになって、最初の10年くらいは不動産屋さんと管理会社さんがお得意様でした。
ネット上のPRで事業が急拡大
−−どこかで転機があったのでしょうか?
得意先だった不動産屋さんがある時期から直接リフォームを始め、仕事が減ってしまったんです。ちょうどそのころ知り合いの会社が「ホームページを作ったらすごく儲かり始めた」と言うので、うちもやってみたんです。
そうしたら早速翌日から仕事が来たので、もうびっくりしました。まだ2004~05年ごろのことで、ネット上での競争も少なかった時代でしたから。
−−独立して何か変化がありましたか?
まず時間の流れる速さが変わりました。勤めていたころは時間の経つのが遅くてじれったく感じていましたが、独立してからはあっと言う間に時間が過ぎていってしまう感覚になりましたね。
やればやるだけ収入になるのですから、どんどん仕事を詰めていってしまいました。もう年齢も年齢なので、今ではそんなに働けませんが(笑)。
−−現在の対応エリアを教えてください。
都内23区です。東京ってこれだけ人がいるところなので、それ以上広げられません。今日も神奈川の方からお問い合わせをいただきましたが、申し訳ないけれどもお断りしました。
−−貴社の強みはどんなところでしょうか?
先にお話したように、お得意先が多いことがうちの強みかと思います。初めてのお客様先に仕事に行って、無茶な依頼を受けることなどもありますよね。そんなときでも真摯に対応すると、次からはお客様の方からご指名で仕事をいただけるようになります。
一度やったら終わりという仕事ではありませんから、お客様との関係づくりは大切です。メールや電話だけでなく、直接お会いして話すこともとても大事だと思います。
またリフォームは時期的な要因も大きくて、賃貸業界だと春は引っ越しシーズンでいちばん忙しい時期ですよね。だから賃貸の案件ばかりやっていると、3月だけ忙しくて4月は暇ということになってしまう。
うちは一般住宅とか賃貸物件とか、ある程度比率を決めてやっているので、そういう偏りがないことも強みといえるかもしれません。
−−コロナ禍の影響などもあまりなかったですか?
まったくなかったですね。若くてがんがん仕事を取りに行きたいという人だと市況の影響はあるかもしれませんが、うちはそういう会社でもありませんから。
仕事だって楽しい方がいい
−−協力会社にはどんなことを求めておられるのでしょうか?
技術ももちろんですが、常識のある方とお付き合いしたいです。これまで、技術もないのに高い料金を請求されたとか不用意にお客様のお宅を傷つけられてしまったなど、いろんなことがありましたから。
−−今後についてはどんな展望をお持ちですか?
会社を大きくしていくというより、仕事を楽しむというか気心の知れたお客様、協力会社さんと一緒に長くやっていければと思っています。
−−貴社のいちばんのアピールポイントはどんなことでしょうか。
対お客様ということでは、対応力は高いと思います。お客様から「水漏れしている」などとご連絡があればすぐに手配するするといった対応を心がけています。
あとは和気あいあいとした社風でしょうか。働く時間って一日の中でも長いし、結構しんどいですよね。そんな中でもうちは、少し楽しさも取り入れようと思ってやっています。みんなで仲良くやってたまには旅行へ行こうよとか、そんな雰囲気が自分ではいいなと思っています。
さいごに
早くからインターネットも活用しつつ、一方で便利な時代だからこそ人間同士のつながりの大切さを力説される椎名和彦社長。ビジネスの基本をあらためて確認させていただきました。
有限会社ワークサービスでは協力企業様を募集されておりますので、ご興味ございましたら下記のページよりご連絡ください。