現場での火災を防ぐ!工事中の建築物に係る防炎規制とその対策とは?

建設工事を施工する上で、安全管理は最も重要な課題となっています。建設工事の現場においては、作業員の怪我や不意の事故を予防しなければなりません。そのため、建設機械を適正に稼働させる、ヒヤリハット事例を十分に確認する、作業員に対して安全ヘルメット着用を呼びかける、といった様々な取り組みがなされています。それだけでなく、建設工事の現場においては火災の予防も重要なテーマであるため、建設工事中の建築物は消防法における「防炎規制」の対象となっています。今回は、建設工事中の建築物に係る防炎規制についてご説明します。

現場の工事用シートには高い防火性が求められます

建設現場における防炎規制とは?

もしも建設工事の現場において火災が発生し、工事用のシートに火が燃え移ってしまった場合、消火することが極めて困難な状況となってしまいます。そのため、消防法においては工事用のシートを「防炎対象物品」と定め、通常要求されるものよりも高い防火性を求め規制しています。具体的には、政令において定められている基準以上の性能が求められています。この規制のことを「防炎規制」と言います。工事用のシートだけでなく、不特定多数の人が出入りする施設や建築物において使用されるじゅうたんやカーテン、舞台の緞帳といった火が燃え広がりやすい物も防炎規制の対象となっています。また、高さが31mを超える高層建築物も避難に時間や手間が掛かるため、防炎規制の対象とされています。

防炎規制の対象となる工事用シート!

消防法においては「工事中の建築物その他の工作物」のうち「建築物(都市計画区域外の専ら住居の用に供するもの及びこれに附属するものを除く)・プラットホームの上屋・貯蔵槽・化学工業製品製造装置」等において使用される工事用シートを防炎規制の対象としています。したがって、これらの建築物及び工作物に係る工事を行う場合、建設業者は高い防火性を有する工事用シートを使用しなければなりません。ただし、防炎規制は立ち上がっている状態で使用される工事用シートのみを対象としているため、コンクリートの養生や建設機械等の覆いといった用途に供されるものについては防炎規制の対象外となっています。

防炎表示で工事用防炎シートを判断!

では、実際に建設工事の現場において使用する工事用防炎シートを選ぶ場合、どのような基準によって見分ければ良いのでしょうか?政令において定められている基準以上の防火性能を有する防炎対象物品には「防炎表示」という表示がなされています。「防炎表示」は縦30mm、横60mmの大きさでのマークであり、赤字で「防炎」という文字が表示されています。防炎対象物品を防炎物品として販売する場合、必ずこの「防炎表示」を付さなければならず、また、紛らわしい表示を付すことは禁じられているため、一目で判別することが可能です。ただし、工事用防炎シートは1類と2類の2つの種類に分かれているため、注意が必要です。1類の工事用防炎シートは、2類のものと比較して強度がより強いという特徴があり、資材等が落下した場合であっても受け止めることが可能です。2類の工事用防炎シートは1類のものより強度が劣るため、金網と併用する必要があります。資材等の落下による事故を防止するためにもこの点には十分気をつけるようにされて下さい。施工しようとする建築物において使用する工事用シートが防炎規制の対象となっていないか十分に確認を行い、防炎規制の対象となっている場合には適切な方法により防炎表示がなされている工事用防炎シートを必ず使用するようにしましょう。

工事用シートは工事現場において火災が発生した場合、火が燃え広がりやすく「防炎規制」の対象となっているため、政令において定められている基準以上の防火性能を有し、「防炎表示」がなされている「工事用防炎シート」を使用しなければなりません。工事用防炎シートには1類と2類の2つの種類があり、種類によって強度が異なるため2類のものにあっては金網と併用する等適切な方法によって使用し、火災や資材の落下による事故等を防ぐ必要があります。

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